自活館の始まり

自活館の始まり

始まりは、二つのきっかけがあります。
まず、職場体験施設としてドライブインを経営したことです。
朝起きて、時間通りに来ることが難しく、1日動くだけの体力がない、人と接するのが怖い、失敗が重なると逃げ出したくなる、と働くために、様々な難しさがあることに気づきました。

不登校からの就職

もう一つは、協力関係にある、不登校の子どもたちを元気にする元気学園で、才能の多様さを知ったことです。
元気学園では、ほとんどの子どもたちが大学に進学していきます。
しかし、その中で、勉強ではないタイプの子もいます。
勉強が好きな子が大学に進学するのはいいけれど、そうでない子が、苦手な勉強をイヤイヤするのでは、時間がもったいない。

では、働けばよいか?というと、そういうわけではない。
就職することも、毎日仕事をすることも、そんなに簡単ではありませんでした。

大学進学と就職と、どちらが楽か?

大学はどこでもよいなら、楽に入れる時代になりました。
一方、大学に入ったけれど、卒業できない・大学を出ても、就職できない人が増えてきました。

働くために重要なことは、学校では教えてもらえない・勉強しているだけでは身につかない、ことがあります。

不登校においては、問題の先送りと、長引かせる傾向にあります。それが、最後には、「働く」ことにつながっていきます。

不登校・引きこもり支援で、最後の壁

不登校や引きこもり支援をしていて、最後にでてくる大きな問題が、「働く」ということです。

学校は、あくまで途中経過で、行っても行かなくても、最終的には、自分の生活を自分で立てる(=自活)ことにたどりつきます。

働けるようになるための練習場所

働いてお給料がもらえるようになるために、学生時代に教育をうける機会を逃していたり、社会にうまく順応出来なかったりする人には、もう一度、働けるようになるための練習場所が不可欠です。

しかし、そのような場所が、あまりないのが現状です。

本人や父母の悩みとして、年齢が上がると、

「経験をさせたくても、経験を積む場がなかなか見つからない」

「経験ができる場所に本人がいられない」

といった、現実的な問題がでてきます。

再出発の場所を作ろう!

いわゆる普通だけれど、何かしようとすると躓いてしまうというタイプの人たちや、親は立派で、自分もそうありたいけれど、同じようにはなれないと、失意の人たちに。

再出発の場所がないのなら、つくっていこう。
「こうしたら、元気になれる!」という結果を手に入れる場が、自活館です。

希望のかたち自活館

数年前にはできていたことができなくなって、その前は、朝起きて学校に行っていたのに、それもできなくなってくる。そこに、昼夜逆転、夜眠れなくて昼間起きているのがつらい、食欲がないなどの体調不良も伴って、どんどん自分の居場所がなくなっているような不安を抱えている人や、その家族のために、社会に適応するためには、どんな訓練をしてサポートをしていかなければいけないか研究してきました。

 年齢が低いと、短期間で目的を達成できることも、年齢が上になると、自分の気持ちとの戦い(イヤの壁)や、当然できなくてはいけない社会から要求されることのレベルが高くなり、それをクリアするには、とても時間がかかってしまいます。
また、本人のプライドも無視はできません。

 18才以上になって相談にくる人を前にし、他人と比べて自分は劣っている、悔しい、といった負の感情が心を支配してしまうまえに、

明るく楽しくトレーニングできる環境をつくりたいと思ってきました。

その希望のかたちに日々近づいている、自活館です。

給料をもらえるようになると親子に笑顔が

気持ちだけでは解決できない、実力という部分に目を向けた取り組みをした結果、ここで、力を付けて、働けるようになった人たちがたくさんいます。正社員になっています!

みんな、最初は、家から出て来られなかったり、家族との軋轢で悩んでいたりした人たちです。
お仕事が楽しくなって給料をもらえるようになれば、親子に笑顔が戻ってきます。

お仕事って楽しい!
毎日、自分を待っている人がいる。
やることがあるって幸せ。

自活館でお仕事の練習をしていると、ある日、ふと気づくそうです。